そういえば昔、灰皿ミサイルというひどい言葉があったなあと思い出しました。ゲームセンターでの話です。
かつてのゲーセンはとても治安が悪かったです。90年代後半くらいの話ですね。だいたい、不良が未だに残ってたところに、格闘ゲームという頭に血が上りやすいゲームがはやりました。
リアルバウト餓狼伝説という格闘ゲームをやってガチのリアルバウトになることも日常。
まあ、場所によりますが、わたしが主戦場としていたのは天下の川崎だったのでいろいろお察しです。
で、冒頭の灰皿ミサイルですが。
もちろん灰皿をぶん投げる違法行為を指します。灰皿といっても、よくあるタイプの灰皿じゃないです。
よく、喫煙所なんかに円柱形の灰皿が置いてありますね。上に吸い殻捨てるやつです。
あれを持ち上げてぶん投げるから灰皿ミサイルだそうです。
いやな納得をしました。
ただ、聞いたことはあってもさすがに灰皿が飛んだところは見たことがありません。
なんか騒ぎが起こったらその瞬間逃げてたからです。
ちなみにこの話はこれまでもこれからも全てフィクションです。
わたしだってカツアゲや面倒ごとに巻き込まれるのはとってもイヤです。だから、ゲーセンに入った時にはまず逃走経路を確認してからゲームをしていました。
そして。それだけちゃんと自衛していたのに、椅子が飛んだところは見ました。フィクションですが。
それは大学の隣の寂れたゲーセン。
さすがに同じ大学のやつしかこないし、90年代も過ぎてたので、油断してゲームしていました。
そしたらなんか後ろのほうで、「テメエコラザッケンナボケー!」という叫びが。
位置からしておそらくゲームはバーチャファイターかマジカルドロップです。マジカルドロップというのはかわいらしいキャラのおちものゲー。人間ブチ切れる時は落ちものゲーでもブチ切れるのでしょうか。
どう考えてもその時でさえ流行が3周くらい回ったバーチャだとは思いますが。
つうかそんなんでブチ切れるやつと同じ大学とか、ああちゃんと仮面浪人しとけばよかったと心底後悔しました。
さて、考察はともかく、ブチ切れた2人は外に出てリアルファイトを始めました。
なにが問題って入り口が1つしかなく、そしてその入り口の前でリアルファイト発生です。
逃げ場がありません。
店員は、と思ってみると店員も逃げてました。
まずい。
とてもまずい事態です。
なにせ店内、他の客はわたし1人。
その瞬間、わたしはなけなしの1000円札を両替機に突っ込みました。
(わたしは背景わたしは背景わたしは背景わたしは背景)
よくオタクは壁になりたいといいますが、あの時ほど背景になりたいと思ったことはありません。
なにも知らないふりをして、全力でゲームを続けました。
うかつに隠れたりすると、「てめえなに見てんだこらー!」と言われかねないからです。
あくまで風景になりきらなくてはいけません。
そして、店員がそーっと出てきて、ふたりも消えた頃、わたしもそーっと逃げ出しました。
ゲームは楽しいものですが、節度を守って、ケンカをせずにプレイしたいものです。