かなり古いゲームですが、ヴァルキリープロファイルというRPGがありました。
『中間管理職ゲー』『派遣営業職ゲー』などとも言われます。
北欧神話ベースの物語で、人間と女神の間を転生し続けるヴァルキリー・レナスとして、主神・オーディンに命じられ戦乱渦巻く地上から有能な人材をスカウト、育て上げて天界の戦士として送り出すうちに天界の陰謀に巻き込まれる、というような話です。
で、なんで中間管理職だの派遣営業だの言われるかっつーと。
死んだやつを英霊にしてレベルを上げていきます。そして上から「こんな人材欲しいんだけど」という要請に従って適当なやつを送るからです。
やってることはまさに中間管理職にして人材派遣業。
しかし、スカウトに問題があるのか、有能なやつに限って「俺は上へ行きたくない」とかほざきます。お前の顔こそ見飽きたわ、ってなります。
さらにダンジョンで探したお宝も上納しなきゃならないという、イヤなサラリーマン体験を思い起こさせるシステムになります。
このシステムが非常に物語にマッチしてるんですね。わたしはゲームをそれほどやってませんが、このキャラ育成と送り出しシステムがきちんとストーリーにハマってる例はヴァルキリープロファイルしか知りません。
なにせ主人公、仕事がスカウトと育成ですから。
そして上手いこと出来てるな、と思うのが、真エンディングへの到達法。
これ、「如何にチェックしにくる監視役をだまくらしつつ、お宝や有能な人材を隠匿し、上のやることに疑問を持ちまくる」のがポイントとなっています。
つまり「出世したけりゃ上の言うことなんか聞くな」みたいなファンキーな結論に至っています。
確か攻略本で、開発班の机にパンチングボールを置いといたらみんながぶん殴り巻くってたという逸話が載っていました。ストレス溜まってたんでしょうね。
折しも、上に忖度してたら大炎上した挙げ句、上はとんずらこくという事件が発生しています。
職業人の生き方として、考えさせられるものがありますね。