たとなてかない

『た』い『と』る『な』ん『て』おもいつ『かない』という意味です。内容はフィクションですよ。

ちくわぶの擁護をしたい

あまり魚介類が好みではありません。新鮮な海産物の産地で食べる海産物は美味しくいただいています。しかし、遠く離れたこの横浜の地でいただける海産物は、ツナ缶とスモークサーモンくらいだと割り切って生きています。

そんなわたしにとって、おでんの練り物は鬼門です。

おでんというのは、わたし個人の意見では8割方茶色い食べ物です。さつま揚げ、ちくわ、厚揚げ、茶巾などが茶色いものです。茶色い具を出汁で煮るので茶色はさらに移ります。

そして魚介類が得意で無い人間にとって、このさつま揚げに代表される練り物はトラップです。

たいていのさつま揚げはすり身を揚げたものですが、ここにオプションが入るケースがあります。枝豆とかならいいんですが、じゃこだのイカだのが入ってるとわたし的には食べられません。

さらに三色団子だと思ってたべたらかまぼこだった、という罠もあります。子供時代のわたしにはとてもショッキングでした。なんでかまぼこを三色団子にするんですか。

というわけで、いちいち茶色くてよく分からないものの中から、食べられそうなものを食べるというのがおでんの基本戦略となります。

安パイはタマゴ、大根、はんぺん。しかしそればっかり食べるのはやはり遠慮というものがあります。

寿司屋とかでもトロばっかり頼んでたらひんしゅく買いますよね。

ポトフだけで1週間過ごせる、裏を返せば好きなものばっかり食べていたいわたしにはツラいシステムです。

なので、おでんのちくわぶは安パイ中の安パイです。なにせ魚とは無縁。ねっちりもっちりして、そのかみ応えはなんとも言えません。さらに出汁はたっぷり吸って、美味しいところだけを食べられます。

ちくわぶには三段変身があります。まず固め。これは出汁に浸かったばっかで、歯ごたえがあってシコシコ感を楽しめます。次に普通。これは端のところが透明になってきて、外側はとろり、内側はねっちりしてきています。

最後にはスーパーレア最終形態となります。このちくわぶ最終形態スーパーレアは、鍋底で煮込まれてグタグタのだらだらになったやつ。もはや歯ごたえはなく、とろりととろけて、かみしめると出汁がしみ出してくる幸せ物体です。

このようにちくわぶは三段階で楽しめるおでんの具なのです。

さらに酒が飲めない下戸にとってはその炭水化物で胃を守ってくれる上、おなかもみたしてくれるボリュームがあるという救世主。

ありがとうちくわぶちくわぶばんざい。ちくわぶをこれからもよろしくお願いします。