たとなてかない

『た』い『と』る『な』ん『て』おもいつ『かない』という意味です。内容はフィクションですよ。

人生でいちばん悲しい目玉焼き

小学校卒業の日、あなたは何をしていましたか?

わたしは卒業式のあと、目玉焼きを作って食べました。ひとりで。誰も帰ってこないので。

卒業式なんて大したことは覚えていませんが、とにかく早く家に帰ろうと走っていったことは確かです。そして帰宅して待つこと1時間。

午前で終わってるんで、12時を過ぎ、1時近くなっても親が帰ってきません。

待てど暮らせど連絡もなし。

で、お腹空いてしょうがないので、卒業式の晴れ着を着替えて目玉焼きを作りました。

どんぶりのご飯に乗せて目玉焼き丼。美味しかったです。

そしたら親が帰ってきました。

「あらお昼食べたの」

「2時間も帰ってこないからだよ。なにしてたの」

「クラスのみんなとお母さんたちで、ファミレス寄ってご飯してたの」

は?

今なんていった?

卒業式終わったあとみんなで打ち上げみたいなことやった?

娘抜きで?

わたしはその後もそれ以前もよくハブられるんですが、まさか自分の母親からまでハブられるとは思っても見ませんでした。

「どうして呼んでくれなかったの! ファミレスから電話かけてくれりゃよかったじゃん!」

「だってお前さっさと帰っちゃうんだもの」

「だから電話かければよかったじゃん!」

その後分かったところでは、同じくハブられた気の毒な連中が5人ほどいました。わたしのクラスには人の心があるやつはいなかったようです。自宅に電話して呼べばいいじゃん人でなし。だからとっとと帰りたかったんだ。

べつに人と仲良くぴーちくぱーちく喋りたいとかそういうんじゃないんですよ。わたしは食い意地がとても汚いので、食べるならハンバーグのほうがよかったわけです。

なにが悲しくて親にまでおいてかれて一人で目玉焼き食べてなきゃならなかったんでしょうね。

母親は卒業式でわたしが皆勤したことを褒められたって喜んでましたが、わたしはそんなのどうでもよかったです。

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