たとなてかない

『た』い『と』る『な』ん『て』おもいつ『かない』という意味です。内容はフィクションですよ。

思い出のラーメン

バッグが古くなってきたので、こないだ新品をアウトレットモールに買いに行きました。

わたしはバッグを使い倒します。具体的には、町中で取っ手がちぎれるくらい。

過去2回やらかし、1回は面接直前だったため、さすがに学んで新しいものを買うことにしたのです。

そのモールにはフードコートがありました。そこの『昔ながらの中華麺』という店を見て、プールで食べたラーメンを思い出しました。

子供時代、公営プールによく行きました。わりと泳ぎは得意だったからです。

親戚みんな肺が弱いらしく、ぜんそくにかかる子が多かったといいます。一人が「水泳習わせるとぜんそくにいいらしい」とか聞き込んでやって見たところ、改善したそうで。

というわけでわたしも3歳から水泳を習わされました。疲れるのでいやなのですが無理矢理行かされます。

そりゃあ母親にしてみれば、子供を水泳コーチに預ければ、あとは上の見学室からアイスでも舐めながら見てるだけです。買い物に行ってよし一人の時間を満喫するもよし、極楽確定です。

しかも子供は疲れるので夜にはすぐ寝ます。こんな母親にとって都合のいい習い事があるでしょうか。

というわけで、わたしは水泳に行かされました。ぜんそくにはならずに済みました。

おかげさまで、近眼が悪化してプールに行けなくなる二十歳過ぎまでくらいはよくプールに行っていました。

3つからやってると潜水がわりと好きになります。わりと長く潜っていられたと思います。水の中はわりと好きです。

中学に入ると、私立中に行ったせいで近所に友達がいません。というわけで、一人でプールに通うようになりました。プールには食堂があります。そこで一番人気だったのがラーメンです。

冷えた身体で食べるラーメンは最高です。しかし高いので、小学生のころはカレーとかうどんとか安いのを食べていました。

中学生になって、ひとりで、小遣いでラーメンを食べました。なるとが入ってる醤油味で、メンマと、うっすいチャーシューと、ネギが乗っています。髪は濡れたまま、熱い麺をすすると醤油味が口いっぱいに広がります。

今流行の『昔ながらの中華麺』とかいうやつより、さらに薄くて安っぽい味だったでしょう。

しかし一人で食べたラーメンはそれが初めてで、今でも覚えている大事な体験です。