銀座ハゲ天という天ぷらチェーンがあります。ご存知の方も多いかとは思いますが。
特定の人の前では言うのをはばかられる単語ですね。
「いやでも、まさか本当に頭に毛がなくなっていくハゲじゃないでしょ。
壁の塗料が剥げてたとかそういう由来じゃないの」
わたしもそう思うんですよ。
事実はわりと残酷です。
ところが初代の店主、渡辺徳之治は完全なハゲ頭だったので、お客様からは「ハゲの天ぷら屋、ハゲ天」としか呼ばれず、翌年銀座に進出する時に思いきってこの「ハゲ天」を屋号にしました。
時は1928年、つまり昭和3年のころ。コンプライアンスという単語があったかどうかすら微妙な時期です。張作霖が爆殺されてますね。
しかし店主も思い切ったというか、諦めたというか、腹をくくったというか。それでもそろそろ創業100年に手が届こうってんですから、よっぽど才能があったんでしょうね。
一回入ったことがあります。連れは女性。
まだ横浜にあったころでした。たしか目の前で天ぷらを揚げてくれるタイプの店で、たいそうおいしい天ぷらを食べた記憶があります。
揚げたての天ぷらを鍋からちょっと油切って、こちらにおいてくれるんですね。蕎麦は挽きたて打ちたて茹でたての『3たて』といいますが、この天ぷらはガチの揚げたて。
蕎麦は挽きたてかどうかは流石にわかんないですが、天ぷらは眼の前で見てるからわかりやすい。
熱々のところをいただくと「ああ生きててよかった」と思えます。
天ぷらといえば、高さ10センチある『さつまいもの天ぷら』があるそう。こないだ閉館した『山の上ホテル』の名店で出してました。今では銀座の『てんぷら 近藤』で食べられるみたいですが、お金をためていつか行ってみたいですね。
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