わたしは母親から料理とか家事を教わりました。顔がよろしくないので家事くらい頑張れということらしいです。お母さん、平成時代は昭和とちがって化粧で顔をごまかさないと料理作る関係まで行けないんですよ。
たとえ料理が作れる関係でも、いろいろ苦労はあるようです。女友だちの1人が電話をかけてきて、
「わたしは料理が作れない。簡単に作れる料理をおしえてくれ」
と言われました。
電話でどうしようっていうんでしょうか。
だいたい愚痴は共感すればいいんでしょうけど、ここでわたしが共感してもマウントにしかなりません。
かといって「彼氏だったらなんでも美味しくたべてくれるよ」とは言えませんでした。食中毒でも起こされた日には困ります。
しばらく悩んだのですがこう言いました。
「トーストにバター塗れるっけ」
「いくらなんでもそれはできるよ」
「なら、サンドイッチ用のパンとイチゴジャムとピーナツバターを買ってこよう。片方のパンにジャム、もう片方のパンにピーナツバターを塗る。2つを合わせればピーナツバターサンドができる」
「それって料理なの?」
「料理だよ。もっと高級にしたかったら鶏レバーのペーストでも買ってきて塗ってみればいい。レバーペーストサンドイッチとかホテルとか出てきそうじゃん」
「でもパンが上手に切れないよ」
「そのままでもかわいい包装紙でラッピングすればごまかせる。あとはパセリ買ってきて横にそえる。
あと、餃子食べるときどうしてる? タレ派?」
「うん、タレ使ってるね」
「納豆も?」
「うん」
「卵かけご飯は?」
「しょう油かけて食べてるよ」
「それだ」
「?」
「卵かけご飯の時しょう油かけてるだろ。ちょっとかけて、味が足りなかったらどうしてる?」
「しょう油足すくらいはするよ」
「その味変ができるならドレッシングが作れる」
「どうやって」
「油と酢を混ぜる。スプーンで1杯ずつね。で、最後にしょう油を垂らして混ぜる。好きな味になったら和風ドレッシングの完成。
コンビニでもスーパーでもサラダミックス売ってるから、きれいな皿に盛り付けて、自家製ドレッシングかけたらサンドイッチとサラダの完成」
「……なんだか料理ができるような気がしてきたよ!」
「それができれば後は少しずつなんでもできるよ」
このいい加減な話が効いたかどうかしりませんが、友人はその後料理をするようになったそうです。ただ、この彼氏とは別れて違う人と結婚したとか。
わたしの責任ですかね。
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