たとなてかない

『た』い『と』る『な』ん『て』おもいつ『かない』という意味です。内容はフィクションですよ。

あの弁当はやばかった

学生時代、作ってもらった弁当に文句を言った事は2度しかありません。

作ってもらっている立場で何か言うのも申し訳なかったからです。

文句を言った2回のうち、1回目は鮭の匂いがやばかったので、食べずに残しました。

帰宅してから、その旨を母親に言ったところ、

「腐ってるはずなんかない」

と、母は言い、鮭弁当を食べました。

翌日。

母は食中毒で病院に行きました。

2回目は、弁当ではなく、弁当についていた飲み物でした。紙パックのお茶でとてもまずかったです。

しかし、人に作ってもらっている立場で、文句は言えないので黙っていました。

1週間我慢しました。8日目に、

「なんでそんな渋い顔しながら弁当食べてるの?!」

と、クラスメートに聞かれました。

「この紙パックのお茶がとてもまずいから」

「どんくらいまずいの」

「日向に置いといた藁を煮出したらこんな味になると思う」

「飲まなきゃいいんじゃない?」

帰宅して冷蔵庫を見てみました。とてもまずい紙パックのお茶は、あと10個ほどありました。

心が折れる音が聞こえました。

母親に、

「悪いんだけど、この紙パックのお茶、すごくまずいんだけど」

と、言ったら、

「え。そんなにまずいの。

飲んでなかったからわかんなかったわ」

私は、翌日から紙パックのお茶を持っていきませんでした。

後で聞いたところ、スーパーで安く売れ残っていたので、ちょうど良いからと大量に買い込んできたそうです。

そういうものは、まず自分で飲んでみてから人に出して欲しかったです。

成人してから、このお茶の名前をまた見かけました。

ルイボスティーです。

カフェインレスで有名な、ルイボスティーでした。

日向の藁を煮出したような味がするお茶です。

よくみんな飲むなと思っていました。

それとなく味を聞いてみます。

「すごく普通の味だよ」

みんなそういうので買ってみました。

ごく普通の味でした。

私が飲んだ日向の藁を煮出したようなルイボスティーは、一体何だったのでしょうか?

謎は深まるばかりです。