たとなてかない

『た』い『と』る『な』ん『て』おもいつ『かない』という意味です。内容はフィクションですよ。

はなまるうどんフルコース


讃岐うどんかどうかは置いといて、はなまるうどんはおいしいと思います。安いし。

しこしこの麺、いつもにこにこの店員。取り放題のショウガ。いろんな天ぷら。ダイエットの大敵にして、日常の幸せをくれるお店です。

さてわたしははなまるうどんでは、たいていきつねうどんを頼みます。たっぷりおつゆを吸ったお揚げが好きだからです。その次は冷やし釜揚げ。大根おろしとレモンが口の中までさっぱりさせてくれます。

たまにカロリーを考えず、一人でぜいたくをしたい時はフルコースにします。

まず天ぷら。野菜かき揚げ、レンコン天、とり天。うどんは熱いかけの小。トッピングに大根おろしと半熟卵。大根おろしだけは別添えにしてもらいます。

愛想のいいレジの店員さんにちゃっちゃと会計してもらうと、まずはお冷やの確保。それからレンゲも取ります。

席に着いたら、ちょっと甘めの醤油を天ぷらにひと回し。出汁をすすってから本番に入ります。

豪快にかき揚げ天を出汁にダンクします。上下ひっくり返して出汁を染みこませても、ぶ厚い野菜かき揚げの中はまだサクサクです。行儀が悪いですがここで皿に戻して、かき揚げ天を3つくらいに割ります。

この野菜かき揚げ、大きいので汁吸わせないとうまく割れないんですな。そのままやると四方八方に天かすが飛び散って迷惑ですし、醤油をかけまくるとしょっぱくなります。

大根おろしの皿も小さすぎて入らない。で、出汁でどうにしかするしかないのです。

しかし割ったところで野菜かき揚げのうまさは変わりません。千切り玉ねぎとニンジンの甘さが、お出汁と共に口に広がります。油っぽくなったところに出汁をイン。

油と出汁のうまみが残ってるところで麺を啜ります。おいしい。シコシコの麺の弾力がたまりません。

次はとり天。これはどんぶり真ん中の半熟卵をちょっと割って、中の黄身がとろけたところにちょっとつけて食べます。異次元親子丼ご飯抜きが口の中で完成します。

それからレンコン天。甘めの醤油がレンコン天には合います。レンコン天のすばらしさは、そのコリコリした歯触りです。うどんは食べ進めるとどれもやわやわのやわになっていきますが、レンコン天だけは毅然と固さを保っています。

しかもレンコン天は糸を引くときがあります。この糸は蓮糸という繊維の素です。

奈良時代にはこの蓮の糸で仏さまに捧げる曼荼羅を作ったとか。そんなありがたい糸がわたしの口の中で極楽浄土になってくれます。

最後はとり天。おなかもこころも満足です。カロリーは忘れます。

 

参考資料

中将姫と當麻曼荼羅- 文化庁広報誌 ぶんかる 蓮の糸の織物の話