たとなてかない

『た』い『と』る『な』ん『て』おもいつ『かない』という意味です。内容はフィクションですよ。

煮豚をつくりたかった

皿の上に煮豚とゆで卵、白髪ねぎ。吹き出しに「煮豚が食べたかった」でかい肉を煮てみたいと思いませんか。1キロくらいのでかい肉です。だいたい1キロっていうと人間の肝臓くらいだそうです。

そう考えると、町中を行き交うスレンダーな女性が信じられなくなります。1キロの肝臓が入ってるはずなんですよ、あのほっそい身体に。紙パックの1リッター牛乳くらいが入ってないと計算が合わないんですよ。

どこに入れてんだ1キロの肝臓。わたしの知らない四次元ポケットでもあるんでしょうか。

また1キロくらいのでかい肉を扱ってると、ミステリー小説や漫画で漫画でカンタンに人が切り捨てられてるのに「ウソだろ……」ってなります。たかが1キロの肉ですが、包丁で刺してみると意外にしんどい。

「うっかり手が滑って人を刺し殺しました」とかねーわって思います。

まあそんな食欲が失せる話はさておき、でかい肉を料理したくなりました。

豚のばら肉がいいですね。白い脂身がたっぷりついたやつ。それで青ネギ1本とショウガ、にんにくを買ってきます。

帰ってきたらお湯を沸かしてばら肉を茹でます。1回茹でて脂を捨てて、それからフライパンを熱して白い脂のところからジュージュー焼きます。

焼き目がついたら鍋に戻して、長ネギと叩き潰したにんにく1かけ、ショウガの塊を入れて水をひたひたにいれ、料理酒なんかもいれて煮ます。ぐつぼこしてきたらひたすら煮ます。

1時間くらい煮たら蓋して放置。夏場なら冷蔵庫に入れます。

翌日白い脂が浮いてくるので、それを取ってから別の鍋に肉と茹で汁と醤油いれて飲めるよりやや薄めにし、またぐつぼこします。

いい感じに煮上がったら煮豚の出来上がりです。

長ネギもとろけてるので、切った煮豚といっしょに白いごはんに乗せれば最高です。あとカラシとかほしいですね。

茹で汁はスープにすると最適。白い脂はラードなんでチャーハンに使えます。

というわけで煮豚にしようと思いました。

「あ、電気アンカのスイッチ切ったかどうか忘れた」

豚の塊肉は遠くのスーパー行かないと安く買えません。

わたしは妥協してひき肉を買い、とっとと家に帰りました。そういうときに限って、だいたいスイッチは切ってあります。

煮豚はまた当分先になりそうです。