たとなてかない

『た』い『と』る『な』ん『て』おもいつ『かない』という意味です。内容はフィクションですよ。

ピザのトロのとこ食べたい

食べ物には一番おいしいとこがあると思います。目玉焼きの黄身とか、ご飯のおこげとか、ビールの最初の一口とか。

ピザで一番おいしいとこは、三角形の一番さきっぽのとこだと思います。

トマト、チーズ、具がとろっとろにとろけて渾然一体となった先端。切り分けてもちぎれない伸びるチーズに手こずりながら口に運び、こぼれないようにピザを斜めにして食べます。

この一口が一番おいしい。

いわばピザのトロです。熱くてとろけた一番いいところの総取りですね。逆に耳はツラい。そう思う人は結構いるらしくて、ミミにソーセージとかチーズとか入れてる店もあります。

だいたいピザというのはパン生地とトマトソースがあまり仲良くありません。トマトソースは隙あらば滑ってぬめってどこかにいこうと企んでいます。チーズは押さえにはなりません。そしてピザを食べるとき、大抵人はとがった先端から食べます。で、滑りおちるので口に落ちるようにちょっと斜めっていれるわけですね。

その時、おいしいソースとチーズと具は2割とほどピザの先端部分に流れます。

残りのところはおいしいけどトロのとこよりはな…になっていきます。

じゃあ、これを防ぐためにどうするか。

ナイフとフォークでおしとやかにピザを切り分けて食べる。これが一番の解決のような気がします。ただし、熱い熱いピザをあっちっちと騒ぎながら手で摘まんで食べる喜びは味わえません。

アメリカ人のように、ピザを折りたたんで食べる。これも1つの方法です。もっともアメリカ人でもピザを折って食べるかどうかは、お好み焼きを格子切りにするかピザ切りにするかくらいに揉める話のようです。

私としては、せっかくおいしいトマトソースとチーズのところに口が届くのが遠くなるのは悲しいです。

考えてみると、食べたいのはトマトソースとチーズのようです。それでは、トマトとチーズをディップにして、着けて食べるというのはどうでしょう。これならどこの部分でもおいしいピザです。

あるいは、ピザ生地そのものに味をつける。トマトジュースでも練り込むとか。

そういう工夫がろくにないことをみると、みんなピザにはそこまでこだわっていないようです。