一緒に食べるとおなかを壊すと言われてる組み合わせに、ウナギと梅干しがあります。
さてどうしてでしょう。実際にやってみました。
わたしはとくになんともなかったです。
ただ、わたしの家系はやたら胃腸が強いです。
母は会社の宴会で皆が牡蠣に当たって苦しんだのにひとりだけ無事。父は一族そろってノロが出た店で食事をし、他の客はノロになったのに一族全員無傷で済んだレベルです。
さらにくわえて、同じものを食べた親戚みんなノロには感染していたのに、父ひとりだけ感染さえしてなかったというおまけ付き。
と言うわけで、わたしの胃腸も細菌にはおそらく強いほうです。なので、あまり参考にならないかと思います。
それはとにかく、実際にやってみて以来、ウナギに梅干しは欠かせないものになりました。
とにかく脂っこいウナギ。この油を梅干しが消してくれて、爽やかな酸味が口の中を洗います。そして残る酸っぱさに、ウナギを食べると甘く濃いタレが打ち消してくれて、まさに「いくらでも食べられる」おいしさです。
個人的には、ウナギに合う梅干しは、柔らかめで酸っぱいのがよろしいです。下手に蜂蜜とかカツオとかにしちゃうと、味が濃すぎてウナギとケンカしちゃいます。果肉たっぷりで皮も柔らかい梅干しだと、ウナギの食感とベストマッチ。
ついでに梅干しはウナギの生臭さを消してくれます。
しかしどうして、ウナギに梅干しはダメだって話になったんでしょうね。
孫引きになりますが、こんないわれがあります。蜀山人の言葉だそうで。
鰻■*1に酢は毒なりと関東にては云ふに、長崎にては、浦上のうなぎを、酢味噌にあへて喰ふもをかし。うなぎを一斤二斤とて、死うなぎを提げて来るを見しなり。
つまり江戸時代の関東では、「うなぎに酢は毒」だったらしいです。でも、長崎ではそうではなかったと。
ウナギに酢はだめなので、同時に酸っぱい梅干しもダメ。そういうことになったらしいです。
ちなみに、万葉集の時代からうなぎは食べられていました。しかも栄養がつくものだって話だったそうです。大伴家持とかいう人が、「お前痩せてるからウナギでも食え」と歌った歌が残ってるそうで。
そう考えると、痩せてる人に酢はあんましよくありません。なので、ウナギに酢はやめようって話になったのかもしれないですね。
ちなみに、最近はうなぎを食べていません。ざんねんな話ですね。
参考資料
*1:■はさかなへんに『麗』と書いてある