どこの大学にも名物教授というのはいるものですが、私が卒業した大学にもおりました。その教授のテストは持ち込み可能のレポート形式で出席を取りません。
はい、つまり、「1年に2回、登録とテストの時だけ出れば単位がもらえる授業」です。ちなみにこれは全部フィクションなので気にしないでください。
まあ持ち込み可能といってもそこはそれなんか勉強しないと単位はもらえない仕組みですが、その教授の授業は違いました。
「君たちの人生に今後必要なものは『おいしいお米の炊き方』だ。テストの問題はそれにする。君たちの努力に期待する!」
今頃サクナヒメやってそうな人ですね。ほんとにおいしいお米の炊き方を書けば単位が貰えたそうです。しかも、レポート形式なのをいいことに、みんな好き勝手書きました。
漫画形式で書いたやつとか短歌とか連歌を作ったやつとか、とにかく如何にネタに走れるか学生みんなが知恵を絞ってテストに挑みました。その知恵を別の所に使え。
それで単位が本当に貰えました。うらやましい。
というのが、私はこのテストを受けなかったからです。4年まで取っておいたのです。
そしたら、教授が出てきて次のように言いました。
「君たち、知っての通り私の授業は『おいしいお米の炊き方』だ。しかし!学生課から苦情が来た!もっと真面目にやれと。
だから私はテスト問題を変えるが、君たちの誠意を見せて欲しい。
例えば大学付近のうまいラーメン屋とか!」
誠意とはいったい。
まあ、この大学、選択必修なのに成績順に下から3分の2は落とすと豪語した上で実行する人もおりました。そしてこの年に同じく学生課から苦情が来てやめたそうです。
そういう混沌の時期に私はテストを受けました。
そして私は悩みました。なぜなら大学の周辺に、おいしいラーメン屋なんかなかったからです。
結局普通に回答して単位をもらいました。これは全部フィクションです。