たとなてかない

『た』い『と』る『な』ん『て』おもいつ『かない』という意味です。内容はフィクションですよ。

最高の湯上がり

夏の風呂が最高に爽快だと思う。

昔インターネット販売という名の倉庫内軽作業をやってた頃、とにかく夏は暑くて死ぬかと思った。倉庫内の服は熱気をたっぷり含み、30度の空気を冷房に負けず放ち続けていたからだ。

頭から汗でずぶ濡れになり、定時の5時で上がる。労働環境がいいわけじゃない。ケチな上司のせいで残業を禁じられていたからだ。

それでも、夏の5時ならまだ明るい。そして暑い。原付に乗って近所の風呂屋までかっ飛ばす。風呂屋はやっと開いたばかりで、私1人だけ。

景気良く贅沢に風呂に入り、まずケロヨンに湯を溜める。透明で熱いお湯が贅沢に溜まっていって、あぁ満ちるってのはこういう意味だと噛み締める。

ケロヨンいっぱいのお湯を頭からかぶる!

汗も苦痛もなにもかもざばーっと流されていく。石鹸で残り滓をこすり洗い、どこもかしこもさっぱりした身体で大きな浴槽に入る。

透明な湯の水面は光にゆらゆらと揺れている。

誰もいないので、足を伸ばそうが手を伸ばそうが自由だ。肌に染みてくる湯の暑さをのんびりの愉しむ。

誰か来て、騒がしくなった頃風呂から上がる。10円で髪の毛を乾かしてくれるお釜ドライヤーに入って、体を拭く。

その後原付にのって素早く帰る。

クーラーをこれでもかときかせ、冷蔵庫の中の無糖の炭酸水を飲む。

あぁ幸せ。

夏の風呂が最高に気持ちいいと思う。