風邪なんかできる限り引きたくない。が、引いてしまった時はしょうがない。大人しく寝ているしかない。
頭は痛いし寒気はするし、ひどければ上から下から決壊する。風邪など最悪だ。
しかしいい年になると最悪を多少のマシにできる。
必要なものは風邪薬、しょうが、味噌、レモン、お湯、体を拭くボディシート、ドライシャンプー、乾いた服と下着何枚でも。
余力があればハーブティー、乾いたシーツと毛布と枕カバー、そして一番必要なのは休みだ。
まずこれでもかとカップに生姜を入れて味噌をお湯で溶かし入れた味噌汁のようなものを作る。これを飲んで部屋を暖かくして寝る。
しばらくするととんでもなく汗をかく。ここで仕方ないので布団から出てボディシートで汗を拭き、乾いた服に着替える。
今度はぬるま湯にレモンと生姜を溶かしたものを飲んで寝る。
この時が気持ちいい。乾いて、こざっばりした布の肌触り。布団の中で手を伸ばしていられるゆったりさ。少し熱っぽい体。
何も考えずにぼーっとしていられる。
少し経つとうとうとした眠りがやってくるから好きに寝る。
私は風邪なんだ。だから何もしなくていいんだ。無責任の海の中にいたって誰も文句なんか言わない。
熱による悪夢を見て目が覚める。熱が下がらなければ汗を拭いて着替える。熱が下がるまで続ける。
かつてのイギリス人は、暑い国に行くととにかくしょっちゅう着替えるという。それで涼しさを保つとか。大英帝国はるかなりしころはさもありなんと思う。
クソ暑い国でメイドに洗濯させた乾いたリネンのシャツとか着てたらそりゃ気持ちよかろう。
私にはメイドなんかいないので、熱が下がると大量の洗濯物が残る。
まあ、洗濯できるのも健康なおかけだ。