源氏物語の宇治十帖というのは、ロリコンマザコン不倫男として知られる光源氏死亡後の後日談だ。一言でまとめると「いい男探しはたいへんだ」。
宇治十帖のは光源氏の子孫でありW主人公の薫君と匂宮から語られるが、逆に女側は八の宮の三姉妹となる。
これが、父親の生活力がないので嫁ぐのが大変である。死んだ後に結婚が決まるものだからグダグダのグダだ。
長女は次女にまともと思われる薫を譲ろうとしたが、長女が本命の薫は匂宮に次女をめあわせる。ここで長女も薫に嫁いでいたらまだ次女に手を差し伸べられたろうに、浮気者の匂宮に嫁いだ次女はめちゃくちゃ苦労する。そして長女は心労で死亡。
父親が生前に長女を薫に嫁がせとけばよかったのに。
そして長女死亡後、父親がよそで作った三女が出てくる。この三女はもともと別の身分はないがそこそこ金持ちで堅実な男と結婚が決まってたのだが、父親の事情*1で破談。
そこに出てきたのが当てにならない薫と匂宮である。どっちも適当などっちつかずで、結局三女は自殺未遂後出家。
光源氏生前あたりから、一夫一婦制を望む女たちと多妻を求める男たちの悶着が始まってはいた。が、宇治十帖となると生活がかかってくる。光源氏を振っても生活が盤石な朝顔の姫君とか六帖御息所とは違うわけだ。
生活がかかると言えば、落葉の宮あたりもそうだ。夕霧に口説かれても嫌がっていたのに、生活がかかっている家来たちに引っ張り出されていやいや結婚する羽目になった。
父親がいない女性は結婚に全てをかけるしかない当時の悲しさである。
さて、陰陽師生成り姫に出てくる女性もそうだ。父親に死なれ、弟もいない、家も貧乏してくるので時間がない。とてものんきに笛吹いてる男をまってはいられない。
しょうがないから他の男と結婚したわけだがこれが大失敗だった。
婚活は平安でもきつい。
というより、他人に生活の糧を依存する人生がキツいのだろう。
現代はいろんな人生があってよかった。ただ、私はもっとたくさん稼いで楽をしたい。お金来い来いもっと来い。
*1:婿候補が狙ってたのは三女の義理の父とのつながりで、三女そのものじゃなかった