たとなてかない

『た』い『と』る『な』ん『て』おもいつ『かない』という意味です。内容はフィクションですよ。

ロッテンマイヤーさんになりたい

毎朝毎朝、ドライヤーを出して髪をどうにかしている。たぶん、どうにかなってない。

その度に、「ロッテンマイヤーさんになりたい」と思う。彼女の髪型は素晴らしい。

ロッテンマイヤーさんはもちろんハイジに出てくる女家庭教師だ。口うるさく頭が固いが子供思いの女性。

髪型はオールバックにお団子である。羨ましい。

あの髪型はめちゃくちゃ楽である。

まず髪の毛をとかしてヘアクリームをつける。頭の後ろで縛って、お団子をつくり、百均のヘアネットでも被せたらおしまいだ。3分間クッキングならぬ3分間ヘアセットだ。仕上げにワックスでも塗り付けとけば乱れのない美しさになるだろう。

残念ながら現実はそうはいかない。

よく中学生や高校生が「自由な髪型を!」とかいうことがある。いいか、よく聞いてくれ。

好きな髪型ですごせる時なんて一生ないから。

まず、まいんちゃんがやってたようなあのポニーテールにリボン。やる勇気があるか?あれは10歳前後までに許される髪型だ。逆にワンレンボブとかを子供がやってもあまり似合うもんではない。

そしてツインテール。ほぼ学校卒業すればアウトだ。

コスプレや地雷系ならともかく。地雷系でツインテールは、かわいいし、それに普通はやらねーよみたいな背徳があるからやってるのである。それですら二十歳までである。

そして就活が来る。髪型は昭和の中学校より厳しい。黒髪ひとつ結び一択。

就職すれば、校則なんてものはないが、その職場の雰囲気、お局の機嫌などを忖度しつつ髪色や髪型が決まる。

アラサーになれば定番「アラサーの痛い髪型」が来る。これは幾つになっても来る。あれはだめ、これはだめ、どれも痛い、笑われる、みっともない。ダメ出しはおそらく死ぬまで続く。

そんな髪型事情に思うのだ。

ロッテンマイヤーさんになりたいと。