コロナ禍に入ってから、季節の移り変わりを気にするようになった。
時差通勤で遅くなった夜、バスを降りて見上げれば満月。月は、人の病も苦しみも知らず輝く。
年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず。
時も、月も、花も、雨も、人類に変わりなく、ただ過ぎてゆく。
それから、季節の移り変わりを気にかけた。
あれから、桜が3度散り、夏が過ぎて秋が来る。
道端の野葡萄が今年も実を付ける。まだ青い。食い荒らされて色をつけるのはもう少し先だろう。
落ちたどんぐりを見に行った林は切られ、家が数軒だった。このご時世だというのに、家に住む人たちはいた。
今の時期は、白粉花が盛りだ。今の子は、あの黒い実を集めたりしないらしい。
もうじき私が一番好きな、落葉の時期が来る。
いつまで季節を眺めていられるだろうか?