昨今、グローバリゼーションという話が広がっています。私の近所でも、英語以外の
「おそらくアジアっぽい、中国語かアラビア語じゃない言葉」
が日常的に飛び交うようになりました。スーパーでは昔手に入らなかったエスニック食材が気楽に買えます。
さて、いろんな人がいろんなところからくると、いろんなことが起こります。
私が今気にしているのは、
「知らん宗教の人が亡くなった場合、葬式ではどうしたらいいのか。ていうか全宗教葬式やるのか」
ということです。
香典とか喪服とか考えると頭痛いですな。
私が若かった頃、カトリックの学校に通っておりました。そこでクラスメートの妹が亡くなり、
「テスト期間後に葬式をやるから、有志は参加するように」
との通達が出ました。テスト終わった後ですし、私は子供の頃から冠婚葬祭だけはきちんとしろとしつけられておりました。
というわけで、私はろくに顔もしらん人の葬式にのこのこ出席したわけです。
さて、日本に置いて一般的に、親族じゃない人の葬式というのは、喪服着て数珠持って列に並び焼香で終わります。
たまにしか行かないので焼香の仕方を忘れて、前の人の真似をするとかよくある話ですね。これはよくコントにもされてて、私はドリフターズと銀魂でみたことがあります。
私はやたら親戚が多く、つまり葬式も法事も多く慣れていたので、焼香だけ済ませて買えるつもりでいました。
他にも出席する生徒がいたので、その後をついて行くとあら不思議。たどり着いたのはなんと真っ白い教会。
この瞬間、「やべえ引き返そう」と思わなかったといえば、ウソになります。
しかし周りに人がいるのでそうも行かず、焦りながらついて行くと教会の中に入ります。
そう。
亡くなった人はカトリック。
つまり葬儀はミサで行われます。
だいたい時間は2時間くらいでしょうか。
焼香だけで済まそうと思ったのになんたることか。しかし今更ガチで引き返すわけにも行かないので、大人しくミサに参列しました。
ちなみに、ミサというのは歌わされたりなにかを言わされたり立たされたり座らされたりしますが、周りを見て同じ事をし、声を出さず口パクしとけばなんとかなります。
もしも突然ミサに参列する場合、覚えておくと便利です。
ちなみに私は学校の決まりで売るほどミサに参加させられてたので、一応式次第は覚えていたので助かりました。
しかしそもそも、そのクラスメートというのも名前と顔が一致しない程度で、さらにその妹となると会ったこともありません。なんかめちゃくちゃ申し訳ないのですが、そこに追い打ちがかかりました。
「亡くなったお嬢さんは、小さい時から闘病生活を続け、ついに齢8歳にして天に召されました」
会場内からすすり泣きが聞こえます。
良心が痛い。ていうかいたたまれない。
ごめん故人、一度も会ったことなかったし闘病生活送ってたことも今知った。そんなヤツが軽々しく来ちゃってほんとにごめん。
さらに普通のミサとは違い、家族からの弔辞が続きました。これもご家族泣きながらで、聞いててツラい。ガチで神と故人とご家族に懺悔したい。なんで来ちゃったんだ。場違いにもほどがある。
その上、故人への献花とか言われて百合の花を渡されました。これを故人の棺に入れるんだそうです。立派な百合です。300円くらいしそう。私が来なかったら300円儲かったのにごめんなさい。
縁もゆかりも殆ど無い私からも花を棺に入れられて故人は旅立ちました。
私は誓いました。
こんど葬式に行くときには、相手の宗教聞いてから行こうと。
その誓いは数日で破れました。
学校で、故人の姉が私にわざわざ会いに来ました。
「ほとんど付き合いもなかったのに、わざわざ遠くまで妹のために来てくれてありがとう。うれしかった」
それ以来。
私は葬式にはちゃんと出るか、香典を渡すか、亡くなった人の気持ちに寄り添おうと決めています。