たとなてかない

『た』い『と』る『な』ん『て』おもいつ『かない』という意味です。内容はフィクションですよ。

生魚をゆでるな

欧米の人たちはお肉好きであまり魚介類を食べないと言います。

真偽の程は知りませんが、向こうのレシピを読んでいて『ポシェ』という料理法を見てると、

「そりゃ魚嫌いになるわ」

と思います。

簡単にいえばポシェとは魚を茹でる料理法です。

我々日本人にとって、魚は煮るか焼くかの二択ですが、欧米人は茹でます。

しかも水にはセロリとか玉ねぎとか、タイムとか入れただけです。ショウガ、ニンニクなし。

茹で汁はスープにするそうです。

そりゃ魚嫌いになるわ。

魚料理というのは、獲れたてをさばいて食べる以外は「いかにして生臭みを取るか」にかかっていると思います。

そもそも人間と魚介類は進化的にかなり遠いので、タンパク質が摂取しにくいのでしょう。つまり本能的に牛肉や豚肉より喰いたくないと思われてるのが魚です私がそう決めたんだほっといて。

ヨタ話はともかく魚のなまぐさみというのはなかなか手強く、まず酒とショウガが必須です。酒もワインの12パーセント程度の度数では生優しい。日本酒15パーセント、これと塩をまぶして生臭みを消します。

さらにショウガをひとかけ入れ、醤油や出汁で誤魔化してやっと人間が口にできる代物となります。

焼き魚はとにかく多少でも新しい魚を香ばしくしてなんとかしのぐ感じでしょう。

そこにポシェ。クールブイヨンとか言ってもタマネギやセロリ程度で魚はどうにかなりません。たぶん生臭い。それを強火でなくとろ火でゆっくり煮る。その上お頭付きで。

そりゃ魚嫌いになるわ。

その辺、イタリアやスペインという魚をそこそこ食べる人たちは違います。まずニンニクを炒めてそこに魚をぶっこむ。初手ニンニク、次は強火。そこまですれば生臭みも逃げる。

そこで思ったんですが。日本はそこそこ魚ばかり食べてたので、生臭みを取る方法には長けています。

でも、肉をよく食べる欧米人からしたら、

「こいつらなんて下手くそな肉の食い方してんだ」

という感じなのかもしれないですねえ。