たとなてかない

『た』い『と』る『な』ん『て』おもいつ『かない』という意味です。内容はフィクションですよ。

鉛筆サイコロで人生を決めてはいけない

私は柄にもなくミッションスクール、しかも女子校なんてのを卒業しています。心から後悔しています。人生やり直しがきくならあそこからやり直します。

さて、なぜそんなとこに行ったかといえば適当です。たまたま行ってた塾で受かりそうな学校がそこだったからです。当時、私が行く予定だった中学校は荒れており、毎日ガラスが割れていました。

中学校の裏には割れたガラスで地層が出来てそれはそれは美しく、幼心になんでこんなきれいなガラスの山が出来てるんだろうと思いました。

理由*1を知ってなんて非ロマンチックなガラスの山だと思いましたが。

そういう理由で、私の母は私に女子校の進学を勧めました。男子とケンカばっかししてたからです。共学でもろくなことにならんと思ったのでしょう。しかし枝振りのいい木があれば登りたがり、スカートで鉄棒をやるような子供に女子校は向いてません。

残念ながら、そんなことは知らなかったので、私は記念受験のつもりで女子校を受けて受かりました。学校だったので母が合格発表を見て、電話をかけてきました。

「お前受かってたわ」

「え。ウソ」

「受かってるのよ。それでさ、今日土曜日だから銀行しまってるのよ*2

「はあ」

「もし入学するなら入学金用意しなきゃならないのよ」

「お母さん」

「なによ」

「お母さん、私に言ってたよね。絶対お前は合格するって。なんで入学金用意してなかったの」

「それとこれとは別よ」

親というのはだいたいそういう生き物です。「それで、今から隣の家に借金しにいくから。五時までに入学金もって行かなきゃならないから。

今から15分で私立行くか市立にするか決めなさい」

無理難題もあればあったもんで。15分で人生決めろとか言われました。私はしばらく悩みましたが、そこに鉛筆がありました。私は鉛筆の1つの面に爪を立ててそこを『1』と決めてぶん投げました。

「偶数なら行く、奇数なら行かない」

結果は偶数でした。

人生の選択は慎重に決めるべきです。決して鉛筆サイコロで決めてはいけません。

 

*1:不良が夜中に窓を割ってた

*2:当時の土曜日は半日授業。そして銀行は休みでATMなどもない