たとなてかない

『た』い『と』る『な』ん『て』おもいつ『かない』という意味です。内容はフィクションですよ。

煌け君はNASHの星

NASHと聞いてなにを思い浮かべるだろうか。

私は漫画『吸血鬼すぐ死ぬ』に出てくる、吸血鬼『な(N)んか足(A)のいっぱいある白(S)い変(H)なやつ』ーー略称NASHを思い出す。

姿かたちは小さな足がいっぱいついた白い饅頭である。サン・テグジュペリなら、人形の足だけををいっぱい飲み込んだ蛇だと言うかもしれない。

何を言ってんだお前、と言うが、『吸血鬼すぐ死ぬ』という漫画はそう言う漫画だ。

で、作中ではそのNASHーーミニ白饅頭の足つきーーの愛好家がいて、ファッションショーみたいにNASH品評会を開いている。繰り返すがNASHの見た目は白饅頭の足つきだ。

彼らはNASHの肌ツヤ、美しさ、足運びなどを愛で、訓練をし、お互いに高め合う。足付きミニ饅頭NASHになにを狂わされてるかは知らないが、高い金をかけるしライバルもいる。

少なくとも横浜アリーナを埋め尽くすくらいのNASH愛好家がいる。つまり横アリを埋め尽くす程度の人間に足付き白饅頭NASHが飼われているのだろう。NASHのどこにどんな魅力があるのかわからんが作中キャラたちは徹頭徹尾NASHNASHNASH!とその魅力に取り憑かれる。

たった12ページの作品なのにNASHへの愛とライバルとの熱き戦いと意外な展開が用意されている。

生き物は姿かたちだけでなく努力や友情によって輝くことができるのだ、と漫画では語られている。

読み終わった時には、NASHーー足付きミニ白饅頭が頭にインストールされている。

NASH、なんか足のいっぱいある白い変なやつ。NASHと聞いて思い出すのは、そのことと、ガイルの友達のアメリカ軍人である。