お魚は好きじゃない。
はっきり言えば、苦手である。
もっとも北海道とか隠岐の島とか、産地に近いところで食べる魚はきちんと美味しい。魚というのは、私にとっては都会で食べるもんじゃないのだ。
少なくとも私の経済力では、都会で美味しい魚は手に入りにくいし、そこまでしても産地の魚には敵わない。
都会では、おとなしく鮭とツナ缶を食べていればいいのだ。
鮭ならあんまり変わらないし、できればスモークサーモンにしておけば、燻製という昔からの知恵によっておいしく食べられる。
ツナ缶に至っては都会で魚を食べるために作られたと言っていいほどだ。
ツナ缶を開ける、あるならスパイスのタイムをかけて臭み消しをする。それからマヨネーズでも醤油でもかけて食べればいい。
サラダにしてもいいし、サンドイッチでも、水を切った豆腐と混ぜて油で揚げてナゲットでもいい。簡単で手軽だ。
ご飯にもパンにも合う。安い時に買いだめすればいいし、非常時にはランプにさえなる。
スモークサーモンなんてのはぜいたくだ。
でも、そのままたべられるし、マリネにしてもいい。ケッパーと玉ねぎを添えてもいいし、クリームチーズとベーグルサンドでもいいし、わさび醤油だって美味しい。
ちらし寿司だって作れる。スモークサーモンをちょっとレモン汁で和えて、レンコンとかゴマとかとご飯に混ぜれば美味しい。押し寿司にしてもいい。
それ以外の魚は、産地で食べる方が好きだ。
隠岐の島のアジフライやぶりしゃぶ。小樽のイカのお寿司。札幌のホタテとカニ。
旅行ができるようになったら、のんびり美味しいものを食べに行きたい。
